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ハヤカワ・ノンフィクション

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ハヤカワ・ノンフィクション文庫や、ハヤカワ・ノンフィクションなど。話題のノンフィクション作品の解説、試し読みを公開中。
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2022年8月の記事一覧

日・英・仏語を操る著者は、終戦後の混沌をいかに描き出したか?  ルイ・アレン『日本軍が銃をおいた日』解説(笠井亮平)

日・英・仏語を操る著者は、終戦後の混沌をいかに描き出したか? ルイ・アレン『日本軍が銃をおいた日』解説(笠井亮平)

1945年8月15日、日本はポツダム宣言を受諾し、太平洋戦争は終わった。しかし、海外各地で戦っていた数百万の日本軍兵士にとって、それは新たな戦いの始まりだった――。

現代史家・大木毅氏監修のもと、戦争ノンフィクションの名著を復刻するシリーズ〈人間と戦争〉。その第一弾として刊行した『日本軍が銃をおいた日: 太平洋戦争の終焉』は、当時イギリス軍の語学将校として降伏交渉に身をもってあたり、その後太平洋

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メールが、ATMが、原発のシステムが次々ダウン……。『サイバー戦争 終末のシナリオ』プロローグを特別公開中!

メールが、ATMが、原発のシステムが次々ダウン……。『サイバー戦争 終末のシナリオ』プロローグを特別公開中!

終わりの見えないロシアとウクライナの戦争。その裏側で繰り広げられる、熾烈なサイバー戦。そもそもロシアが使用するサイバー兵器はいつどのように開発されたのか? その攻撃に対抗するすべはあるのか? サイバー兵器の真の恐ろしさ、そしてその脅威が私たち日本人にとっても決して他人事でないことを浮き彫りにするのが、新刊『サイバー戦争 終末のシナリオ』(ニコール・パーロース、江口泰子訳、岡嶋裕史監訳、早川書房)で

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ゴキブリはどれほど賢いのか。アンディ・クラーク『現れる存在』イントロダクション試し読み

ゴキブリはどれほど賢いのか。アンディ・クラーク『現れる存在』イントロダクション試し読み

イントロダクション――ゴキブリの脳を載せたクルマ

1950年代のSFと1960年代の科学ジャーナリズムの中で、約束されたはずの「人工の心」はどこにいってしまったのか。われわれが作り出した最高の「知的」人工物は、なぜいまだに、言いようもなく手の施しようがないアホなのか。一つの可能性は、われわれが知能そのものの本質をまったく誤解しているということだ。われわれは心というものを、ある種の論理的推論装置が

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【戸髙一成氏、野中郁次郎氏、保阪正康氏推薦!】大木毅監修・シリーズ〈人間と戦争〉 第1弾『日本軍が銃をおいた日』8月10日発売

【戸髙一成氏、野中郁次郎氏、保阪正康氏推薦!】大木毅監修・シリーズ〈人間と戦争〉 第1弾『日本軍が銃をおいた日』8月10日発売

『独ソ戦』(岩波新書)などで知られる現代史家の木木毅氏の監修のもと、戦争ノンフィクションの名著を復刻するシリーズ〈人間と戦争〉。8月10日の創刊に先駆け、戸髙一成氏、野中郁次郎氏、保阪正康氏よりお寄せ頂いた推薦の辞をご紹介します。

第1弾となるルイ・アレン『日本軍が銃をおいた日――太平洋戦争の終焉』は8月10日(水)発売です!

その軍隊は降伏の仕方を知らなかった
1945年8月15日、太平洋戦

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【8/3(水)発売】見えない「サイバー戦争」はどこで行われているのか? 小泉悠氏による新刊解説を特別公開

【8/3(水)発売】見えない「サイバー戦争」はどこで行われているのか? 小泉悠氏による新刊解説を特別公開

セキュリティホールの情報を高額で闇取引するサイバー武器商人、システムに罠を仕掛け、敵国のインフラを壊滅させるタイミングを窺う政府機関やテロリスト――。「見えない軍拡競争」はいったいどこでどのように繰り広げられているのか?
スパイ小説さながらの臨場感あふれる筆致で、今そこにある「サイバー最終戦争」の危機を炙りだすのが新刊『サイバー戦争 終末のシナリオ』(ニコール・パーロース、江口泰子訳、岡嶋裕史監訳

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あなたの運や不運を数学的視点で見てみると? 『それはあくまで偶然です』本文試し読み

あなたの運や不運を数学的視点で見てみると? 『それはあくまで偶然です』本文試し読み

宝くじの連続当選、ビギナーズラックで大成功、恋愛相手と運命的な出会い……自分にとって幸運なことも(あるいは不運なことも)、統計学的な視点からみれば「ぜんぶたまたま」に過ぎないとしたら?
なぜ人は、「偶然」に過ぎないことに運命や必然的な「何か」を見出してしまうのか? 数学者であり、即興コメディアンやミュージシャンとしての顔も持つ著者がその疑問に迫る『それはあくまで偶然です』(ジェフリー・S・ローゼン

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