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ハヤカワ・ノンフィクション

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2020年12月の記事一覧

早川書房のノンフィクション編集者が2020年を振り返ったら、コロナとの付き合い方がわかった

早川書房のノンフィクション編集者が2020年を振り返ったら、コロナとの付き合い方がわかった

編集者(Twitter:@shotichin)なので、今年作った本から2020年を振り返ります。

1月23日、ウォルター・ブロック『不道徳な経済学: 転売屋は社会に役立つ』発売。

元は講談社から出ていた本だ。単行本『不道徳教育――擁護できないものを擁護する』として2006年に出た後、2011年に『不道徳な経済学――擁護できないものを擁護する』と改題され講談社+α文庫に入った。今回の再文庫化にあ

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さまざまな地下をめぐる、文学、神話、思索にあふれた旅。ガーディアン紙「21世紀ベスト・ブック100」に選ばれた『アンダーランド 記憶、隠喩、禁忌の地下空間』試し読み公開中

さまざまな地下をめぐる、文学、神話、思索にあふれた旅。ガーディアン紙「21世紀ベスト・ブック100」に選ばれた『アンダーランド 記憶、隠喩、禁忌の地下空間』試し読み公開中

『アンダーランド 記憶、隠喩、禁忌の地下空間』は英国人作家ロバート・マクファーレンが、さまざまな地下をめぐったノンフィクション。ナショナル・アウトドア・ブック・アワードをはじめ、ウェインライト賞、スタンフォード・ドルマン紀行文学賞を受賞し、英ガーディアン紙が選ぶ「21世紀ベスト・ブック100」に選出されました。

ロバート・マクファーレンは1976年、英国ハラム生まれの冒険家・作家。自身が登山や探

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山形浩生「これは驚いた。言語と音楽(そして踊り)についての、コロンブスの卵のような理論だ」『〈脳と文明〉の暗号』書評

山形浩生「これは驚いた。言語と音楽(そして踊り)についての、コロンブスの卵のような理論だ」『〈脳と文明〉の暗号』書評

ベストセラー『ヒトの目、驚異の進化』のマーク・チャンギージーが「聴覚」を糸口に人類誕生の謎に迫った話題作、『〈脳と文明〉の暗号――言語と音楽、驚異の起源』(中山宥訳、ハヤカワ・ノンフィクション文庫)。本記事では評論家・翻訳家の山形浩生氏による書評をお届けします!

これは驚いた。言語と音楽(そして踊り)についての、コロンブスの卵のような理論だ。言語は不思議なもので、霊長類ですら大した言語活動をしな

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もし異星人が地球上の生命体を調査しにきたら

もし異星人が地球上の生命体を調査しにきたら

もし異星人が地球上の生命体を調査しにきたら、適当なサンプルをレーザー光線で吸い上げて、さっそく解剖、などということはしない(ついでにいうと、肛門にばかり異様な興味を抱いたりもしない)。〝レーザー吸い上げ〟のような荒っぽい方法を使うのは、新米の研究者だけだ。あとで指導教官からお仕置きを食らうこと、間違いなしだ(罰として、垂れた鼻を引っぱられるか何かだろう)。研究の対象にしたい動物をたださらってきたと

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読む力は本能なのか? マーク・チャンギージー『〈脳と文明〉の暗号』序章

読む力は本能なのか? マーク・チャンギージー『〈脳と文明〉の暗号』序章

大ヒット『ヒトの目、驚異の進化』の理論神経科学者が人類誕生と「聴覚系」の壮大な謎に挑んだ、マーク・チャンギージー『〈脳と文明〉の暗号――言語と音楽、驚異の起源』。Amazon「神経科学」カテゴリでベストセラー1位となるなど、刊行直後から早くも話題を呼んでいます。この記事では、本書の序章「読む力は本能なのか?」を全文公開します!

序章 読む力は本能なのか?認知心理学者のスティーブン・ピンカーは、著

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『セガvs.任天堂/Console Wars』配信開始記念、原作電子書籍の期間限定「50%OFF&試し読み増量」キャンペーン開始!

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12月4日(金)より、動画配信サービスU-NEXTにて、1990年代にアメリカのゲーム業界で繰り広げられたセガと任天堂の覇権争いを描いたドキュメンタリー映画『セガvs.任天堂 / Console Wars』が、“U-NEXTオリジナル”として日本初かつ独占配信されます。

『セガvs.任天堂 / Console Wars』
1990年、セガは世界の一大ゲーム会社・任天堂に立ち向かうべきチームを立ち

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