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悲劇喜劇

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演劇雑誌:悲劇喜劇
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2020年2月の記事一覧

【渡辺えり編】ハヤカワ演劇文庫50冊を一挙紹介!~本を読んだら劇場へ、舞台を観たら本を手に。~

【渡辺えり編】ハヤカワ演劇文庫50冊を一挙紹介!~本を読んだら劇場へ、舞台を観たら本を手に。~

早川書房は演劇青年だった創業者・早川清の「自由に本が読みたい」という決意のもと、1945年8月15日に設立された出版社です。その創業の志をつなぐ演劇専門レーベル「ハヤカワ演劇文庫」は2006年に創刊。15年にわたり国内外の優れた戯曲をご紹介してきました。そしてハヤカワ文庫50周年にあたる今年、50冊目の演劇文庫「ピーター・シェーファーⅠ」を刊行いたします。この節目に、ハヤカワ演劇文庫の既刊をご紹介

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カミュ・ニーチェ・アルトー:フランス演劇の70年とともに         堀切克洋(演劇批評家)

カミュ・ニーチェ・アルトー:フランス演劇の70年とともに         堀切克洋(演劇批評家)

「悲劇喜劇」2019年11月号では、フランスの小説家・劇作家であるアルベール・カミュを大特集しました。44歳でノーベル文学賞を受賞し、不慮の事故によって46歳の若さで亡くなるまで、小説『異邦人』や戯曲『カリギュラ』『誤解』などを発表。その作品は「不条理」とそれに対する「反抗」というテーマで貫かれています。

フランス在住の演劇批評家・堀切克洋氏が、フランス演劇の戦後七十年の歴史にふれつつ、これまで

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【アメリカ現代演劇編】ハヤカワ演劇文庫50冊を一挙紹介!~本を読んだら劇場へ、舞台を観たら本を手に。~

【アメリカ現代演劇編】ハヤカワ演劇文庫50冊を一挙紹介!~本を読んだら劇場へ、舞台を観たら本を手に。~

早川書房は演劇青年だった創業者・早川清の「自由に本が読みたい」という決意のもと、1945年8月15日に設立された出版社です。その創業の志をつなぐ演劇専門レーベル「ハヤカワ演劇文庫」は2006年に創刊。15年にわたり国内外の優れた戯曲をご紹介してきました。そしてハヤカワ文庫50周年にあたる今年、50冊目の演劇文庫「ピーター・シェーファーⅠ」を刊行いたします。この節目に、ハヤカワ演劇文庫の既刊をご紹介

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震災直後の東京での出来事と、カントの思索の接続を意図した意欲作/小田尚稔『是でいいのだ』冒頭公開(悲劇喜劇3月号)

震災直後の東京での出来事と、カントの思索の接続を意図した意欲作/小田尚稔『是でいいのだ』冒頭公開(悲劇喜劇3月号)

「悲劇喜劇」3月号(2/7発売)では、気鋭の劇作家・小田尚稔の初小説「是でいいのだ」を掲載。
本作は、2011年3月の東京での出来事と、カント(『道徳形而上学の基礎づけ』)やフランクル(『それでも人生にイエスと言う』)の思索との接続を意図した意欲作です。
登場人物を通して語られる震災直後の東京の風景と、そのような逆境や自身の境遇を受け入れて、少しでも前に進んで乗り越えることを描いています。
同号で

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芥川賞作家が演劇と小説の違いを読む!/「語り手の身体」滝口悠生(悲劇喜劇3月号)

芥川賞作家が演劇と小説の違いを読む!/「語り手の身体」滝口悠生(悲劇喜劇3月号)

「悲劇喜劇」3月号(2/7発売)では、気鋭の劇作家・小田尚稔の初小説「是でいいのだ」を掲載。芥川賞作家の滝口悠生氏が小説に寄せたエッセイを公開します。

(書影をタッチすると、Amazonページにジャンプします。)

語り手の身体   滝口悠生(小説家)
各部の語り手が誰なのかよくわからない、というのがこの小説の最大の特徴だと思う。
「三月のあの日、東南口のマクドナルドにいた。」ではじまる「1」に

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「小田尚稔の演劇」と「小説」 佐々木 敦(悲劇喜劇3月号)

「小田尚稔の演劇」と「小説」 佐々木 敦(悲劇喜劇3月号)

「悲劇喜劇」3月号(2/7発売)では、気鋭の劇作家・小田尚稔の初小説「是でいいのだ」を掲載。佐々木敦氏が小説に寄せたエッセイを公開します。

(書影をタッチすると、Amazonページにジャンプします。)

「小田尚稔の演劇」と「小説」   佐々木 敦 小田尚稔はもともと俳優で、悪魔のしるしや栗☆兎ズ(現ウンゲツィーファ)、わっしょいハウスや三条会などに出演していた。見た目も演技態も個性的で、いつの

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