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#ローダンNEO
【第3シーズン7/18刊行開始記念】《ローダンNEO》おさらいその4:本国で刊行の200巻までの展開を紹介する、井口忠利氏による第17巻『テラニア執政官』の解説を掲載!
世界最長のSFシリーズ《宇宙英雄ローダン》、そのリブート企画として始まった新プロジェクト《ローダンNEO》。2019年7月より全8巻毎月刊行が始まった第3シーズン〔銀河の謎篇〕。
これまで、第1シーズン〔テラニア誕生篇〕、第2シーズン〔ヴェガ遠征篇〕のあらすじを紹介してきた。
【第3シーズン7/18刊行開始記念】《ローダンNEO》おさらいその2:第1シーズン〔テラニア誕生篇〕(第1~8巻)のあ
【第3シーズン7/18刊行開始記念】《ローダンNEO》おさらいその1:第1巻『スターダスト』の前半分第9章までを連続掲載(第8章)
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ゲートの上には「ベア・クリークにようこそ!」と書かれた看板がかかっていた。その下に、小さな文字で「ゲーテッド・コミュニティ」とある。ジョン・マーシャルにとって、その言葉は「監獄」と同義だった。凝り固まった恐怖によって築かれた監獄である。
この高級住宅地は、高さ四メートルの二重の塀に囲まれていた。塀を覆うように常緑の生け垣と木々が並んでいるが、防犯カメラが常に辺りを監視し、鳥型の自動無人ド
【第3シーズン7/18刊行開始記念】《ローダンNEO》おさらいその1:第1巻『スターダスト』の前半分第9章までを連続掲載(第5章)
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距離にして一秒。といっても、一光秒である。およそ三〇万キロ。それが三日間の飛行を経た今、《スターダスト》と地球とを隔てる距離だった。
わずか脈拍一拍分に満たない通信の遅延が、《スターダスト》のクルーたちに自らと故郷との間に横たわる虚空を認識させる。
ペリー・ローダン、レジナルド・ブル、エリック・マノリ、クラーク・フリッパー。今は全員が人工的なディープスリープから目覚め、月への接近を油断
【第3シーズン7/18刊行開始記念】《ローダンNEO》おさらいその1:第1巻『スターダスト』の前半分第9章までを連続掲載(第4章)
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《スターダスト》が月の軌道に入る一時間前、夜明けが近づく頃合いに、レスリー・パウンダーは自分の執務室に足を踏みいれた。今回のミッションがはたして成功するのか否か、NASAの飛行司令官にはわからない。彼に確信できたのは、ローダンという最良の人材を送りこんだということ。そして、たとえ何が起ころうと、自分には当分──いや、もしかすると二度と、安息など望めないということだけだった。
彼は明かりをつ
【第3シーズン7/18刊行開始記念】《ローダンNEO》おさらいその1:第1巻『スターダスト』の前半分第9章までを連続掲載(第3章)
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打ち上げは円滑に進んでいた。
《スターダスト》は「爆竹」──と呼ぶことは今はもう許されないが──ことNOVAロケットに載せられ、天へと昇っていく。管制センターではNOVAをののしる技術者たちの怒声に近い報告が飛び交っているが、それでも、すべてが順調なことに変わりはなかった。
せめてもとばかりに、起こりうる非常事態を辛辣に予測しあう技術者たちの声がイヤホン越しに耳に届き、フルパワーで稼働す