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ハヤカワSF

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ハヤカワ文庫SFや、新ハヤカワ・SF・シリーズなどの話題作品の解説、試し読みを公開中。
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#SF小説

【キム・チョヨプ来日決定! 記念企画第2弾】新刊『この世界からは出ていくけれど』より傑作短篇「ローラ」をWeb全文公開!【2カ月限定】

【キム・チョヨプ来日決定! 記念企画第2弾】新刊『この世界からは出ていくけれど』より傑作短篇「ローラ」をWeb全文公開!【2カ月限定】

韓国新世代SF作家の旗手、キム・チョヨプ氏の来日が決定!
11/25~26に行われる「K-BOOKフェスティバル 2023 in Japan」にて、SF作家の小川哲さんとの対談が決定しました。

来日決定を祝う記念企画第一弾として、新刊である第2短篇集『この世界からは出ていくけれど』から、問題作にして傑作の短篇「ローラ」を、2カ月間限定でWeb全文公開します!

ローラ          キム・チ

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【キム・チョヨプ来日決定! 記念企画第1弾】新刊『この世界からは出ていくけれど』著者の「日本語版への序文」をWeb全文公開!【11月末K-BOOKフェスティバルに登壇】

【キム・チョヨプ来日決定! 記念企画第1弾】新刊『この世界からは出ていくけれど』著者の「日本語版への序文」をWeb全文公開!【11月末K-BOOKフェスティバルに登壇】

韓国新世代SF作家の旗手、キム・チョヨプ氏の来日が決定!
11/25~26に行われる「K-BOOKフェスティバル 2023 in Japan」にて、SF作家の小川哲さんとの対談が決定しました。

来日決定を祝う記念企画第一弾として、新刊である第2短篇集『この世界からは出ていくけれど』から、著者による「日本語版への序文」を全文公開します!

『この世界からは出ていくけれど』より

日本語版への序文 

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【9/20刊行】キム・チョヨプ『わたしたちが光の速さで進めないなら』に続く第2短篇集『この世界からは出ていくけれど』書影公開! カシワイ氏が描く彼女たちの旅立ち直前の一瞬!

【9/20刊行】キム・チョヨプ『わたしたちが光の速さで進めないなら』に続く第2短篇集『この世界からは出ていくけれど』書影公開! カシワイ氏が描く彼女たちの旅立ち直前の一瞬!

韓国新世代SF作家の旗手が
未来へ踏み出す者たちに贈る、
優しさと希望に満ちた7篇!

大好評『わたしたちが光の速さで進めないなら』に続く、キム・チョヨプの第二SF短篇集『この世界からは出ていくけれど』日本語版が、いよいよ2023年9月20日に刊行!

カバーイラストは、『わたしたちが光の速さで進めないなら』、『地球の果ての温室で』に引き続き、カシワイさんが描く、表紙から裏表紙まで繋がる美麗な全面

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【いまAIがさらに熱い】「AIを知るための本」おすすめ作品を紹介【Kindleにて50%OFFセール実施中の作品多数】

【いまAIがさらに熱い】「AIを知るための本」おすすめ作品を紹介【Kindleにて50%OFFセール実施中の作品多数】

世間をにぎわす画像生成ソフトやChatGPTなどのAI技術。いま、人間とAIのかかわりは歴史的な転換点を迎えようとしています。
「人工知能(AI)」は、SF小説で古くから大事にされてきたもののひとつです。古典作品から最新のSFまで、さまざまな形でAIとともに生きる世界が示されています。
AIを知り、そしてどんな関係を築いていくのか。こちらの記事では、”AIを知る”古今東西のSF小説をご紹介していき

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【書評】三田誠:『標本作家』/〈異才混淆〉とシェアードワールドについて

【書評】三田誠:『標本作家』/〈異才混淆〉とシェアードワールドについて

大好評発売中の第10回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作、小川楽喜『標本作家』。本記事では『S-Fマガジン』2023年6月号(4/25発売)に掲載予定、作家/ゲームデザイナーの三田誠さんによる『標本作家』の書評を先行公開いたします!

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 すでに人類が滅びた遠未来。高等知的生命体である「玲伎種」は、かつての人類から名だたる文豪たちを復活させ、不死固定化処置を施した後、専用の収容施設〈終古

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【連載18(最終回)】《星霊の艦隊》シリーズ、山口優氏によるスピンオフ中篇「洲月ルリハの重圧(プレッシャー)」Web連載中!

【連載18(最終回)】《星霊の艦隊》シリーズ、山口優氏によるスピンオフ中篇「洲月ルリハの重圧(プレッシャー)」Web連載中!

銀河系を舞台に繰り広げられる人×AI百合スペースオペラ『星霊の艦隊』シリーズ。
著者の山口優氏による、外伝の連載が2022年12/13より始まっています!
毎週火曜、木曜の週2回、お昼12:00更新の連作中篇、全18回集中連載の最終回です!

星霊の艦隊 洲月ルリハの重圧
ルリハは洲月家の娘として将来を嘱望されて士官学校にトップの成績で入学し、自他共に第一〇一期帝律次元軍士官学校大和本校のトップを

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【連載17】《星霊の艦隊》シリーズ、山口優氏によるスピンオフ中篇「洲月ルリハの重圧(プレッシャー)」Web連載中!

【連載17】《星霊の艦隊》シリーズ、山口優氏によるスピンオフ中篇「洲月ルリハの重圧(プレッシャー)」Web連載中!

銀河系を舞台に繰り広げられる人×AI百合スペースオペラ『星霊の艦隊』シリーズ。
著者の山口優氏による、外伝の連載が2022年12/13より始まっています!
毎週火曜、木曜の週2回、お昼12:00更新の連作中篇、全14回集中連載の予定でしたが、ご好評につき第18回まで延長いたします!

星霊の艦隊 洲月ルリハの重圧
ルリハは洲月家の娘として将来を嘱望されて士官学校にトップの成績で入学し、自他共に第一

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【連載16】《星霊の艦隊》シリーズ、山口優氏によるスピンオフ中篇「洲月ルリハの重圧(プレッシャー)」Web連載中!

【連載16】《星霊の艦隊》シリーズ、山口優氏によるスピンオフ中篇「洲月ルリハの重圧(プレッシャー)」Web連載中!

銀河系を舞台に繰り広げられる人×AI百合スペースオペラ『星霊の艦隊』シリーズ。
著者の山口優氏による、外伝の連載が2022年12/13より始まっています!
毎週火曜、木曜の週2回、お昼12:00更新の連作中篇、全14回集中連載の予定でしたが、ご好評につき数話延長いたします!

星霊の艦隊 洲月ルリハの重圧
ルリハは洲月家の娘として将来を嘱望されて士官学校にトップの成績で入学し、自他共に第一〇一期帝

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【連載15】《星霊の艦隊》シリーズ、山口優氏によるスピンオフ中篇「洲月ルリハの重圧(プレッシャー)」Web連載中!

【連載15】《星霊の艦隊》シリーズ、山口優氏によるスピンオフ中篇「洲月ルリハの重圧(プレッシャー)」Web連載中!

銀河系を舞台に繰り広げられる人×AI百合スペースオペラ『星霊の艦隊』シリーズ。
著者の山口優氏による、外伝の連載が2022年12/13より始まっています!
毎週火曜、木曜の週2回、お昼12:00更新の連作中篇、全14回集中連載の予定でしたが、ご好評につき数話延長いたします!

星霊の艦隊 洲月ルリハの重圧
ルリハは洲月家の娘として将来を嘱望されて士官学校にトップの成績で入学し、自他共に第一〇一期帝

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小川楽喜『標本作家』第二章⑨ チャールズ・ジョン・ボズ・ディケンズ 十九世紀最大の小説家

小川楽喜『標本作家』第二章⑨ チャールズ・ジョン・ボズ・ディケンズ 十九世紀最大の小説家

(第15節はこちらの記事に掲載しています。)

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 ──そうして、時代は、十九世紀へと戻ってきます。

 チャールズ・ジョン・ボズ・ディケンズ。十九世紀最大の小説家。イギリス国民からもっとも愛された作家。
〈終古の人籃〉で調べたかぎり、彼の作品は千年以上にわたって読み継がれていました。貧苦と孤独のなか、ロンドンの片隅にあった靴墨工場で働いていた少年が、ジャーナリストというキャリアを経て、英国

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小川楽喜『標本作家』第二章⑧ クレアラ・エミリー・ウッズ 世紀不明、人類最後の文学者

小川楽喜『標本作家』第二章⑧ クレアラ・エミリー・ウッズ 世紀不明、人類最後の文学者

(第14節はこちらの記事に掲載しています。)

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 クレアラ・エミリー・ウッズ。世紀不明。どこにも属さない作家。
 おそらくは人類最後の文学者です。そして、人類初の、標本化された作家でもあります。
 彼女を既存のジャンルのいずれかに当てはめるのは不可能、いえ、無意味といっていいのではないでしょうか。あまりにも逸脱しているのです。彼女の書いたものの一側面に目をむければ、そこには狂想的な思索の断

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小川楽喜『標本作家』第二章⑦ マーティン・バンダースナッチ 二十八世紀の児童文学作家

小川楽喜『標本作家』第二章⑦ マーティン・バンダースナッチ 二十八世紀の児童文学作家

(第13節はこちらの記事に掲載しています。)

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 マーティン・バンダースナッチ。二十八世紀の児童文学作家。
 ……二十八世紀ともなれば、世界のありようが劇的に変わり、その言及にも労を要すると思われるかもしれませんが、文明の発達度という点では、先述した二十四世紀のころと、たいした違いはありませんでした。
 あのナノマシンの異常によって起こった連続狂死事件以降、ナノテクロノジーの研究が禁止され

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小川楽喜『標本作家』第二章⑥ エド・ブラックウッド 二十四世紀のホラー作家

小川楽喜『標本作家』第二章⑥ エド・ブラックウッド 二十四世紀のホラー作家

(第12節はこちらの記事に掲載しています。)

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 エド・ブラックウッド。二十四世紀のホラー作家。
 彼の著したホラー小説が社会にどのような影響を与えたか、それを語るには、まず二十四世紀という時代の背景について述べなければいけません。
 二十世紀にウィラル・スティーブンが執筆したSF小説にあるような未来は、完全な形ではおとずれませんでした。一部、実現したものもありますが、基本的には近代以降の

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小川楽喜『標本作家』第二章➄ ロバート・ノーマン 二十二世紀のミステリー作家

小川楽喜『標本作家』第二章➄ ロバート・ノーマン 二十二世紀のミステリー作家

(第11節はこちらの記事に掲載しています。)

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 ロバート・ノーマン。二十二世紀のミステリー作家。
 ミステリー小説をとりまく情勢は、二十二世紀に大転換をむかえることになります。インターネット上で「ミステリー小説の世界に飛びこむ」ということを試みたゲームが開始され、そこから数々の名作が発表されるようになったのです。
 そのゲームは〈解しがたき倫敦〉というもので、仮想空間につくられたロンドン

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