Hayakawa Books & Magazines(β)
2019/05/10 12:41
4月に刊行された、柴田勝家氏による一大昭和伝奇SF『ヒト夜の永い夢』。粘菌コンピュータを搭載した自動人形「天皇機関」をめぐって時代を築いた名士たちが入り乱れる本書の、スピンオフ前日譚を特別公開します。本作単品でも楽しめるようになっていますが、ぜひ『ヒト夜』を読んでからお楽しみください!(編集部)1 ここは世界の全てがある場所、つまり大英博物館である。 大英帝国の威光も燦然たり。七つの海
2019/04/24 07:13
民俗学SFの俊英・柴田勝家氏が、稀代の博物学者である南方熊楠を通して粘菌コンピュータにより稼働する自動人形「天皇機関」発明の顛末を描いた一大昭和伝奇ロマン『ヒト夜の永い夢』。その冒頭を掲載いたします。 天上から花が降り注ぐ。 赤いもの、黄色いもの。極彩色の花々が灰色の空を舞い、地上へと落ちていく。それらは通りを埋め尽くす観衆の頭にも積もっていくが、彼らはそんなものお構いなし、実に楽しげな表情