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2022年11月の記事一覧
苦痛を望む者たちの理想の住宅。周藤蓮『バイオスフィア不動産』第1話「責問神殿」
もしも死ぬまで外に出なくていい、生きるための全てが内部で完結する家があったら? 『賭博師は祈らない』『吸血鬼に天国はない』『明日の罪人と無人島の教室』の周藤蓮氏による最新作、『バイオスフィア不動産』の第1話「責問神殿」を試し読みとして公開します。
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排水口がゴボゴボと濁った音を立てている。
流れ込んだ人々の血液、肉、脂肪、骨片、体毛などが詰まり、淀んでいるのだ。そこから湧
【新商品】ディストピア仕様のクールなブラック! HAYAKAWA FACTORY初の冬物「1984パーカー」
20世紀英国を代表する作家ジョージ・オーウェル(『一九八四年』『動物農場』)関連アイテムに新作のパーカーが加わりました! 「1984」のロゴと「BIG BROTHER IS WATCHING YOU」のテキストをあしらったディストピア仕様。寒い冬を越すのに最適なぽかぽかな裏起毛タイプで、様々なシーンでご活用いただけます! 今回はS、M、L、XL、XXLの5サイズ展開。
★★【重要・ご注意】Ama
どこよりも遠い場所としての住宅。『バイオスフィア不動産』周藤蓮インタビュー
もしも死ぬまで外に出なくていい、生きるための全てが内部で完結する家があったら? 新刊エンタメSF『バイオスフィア不動産』を刊行した周藤蓮氏へのインタビューを掲載いたします。
—―まずは改めまして、自己紹介からお願いします。
周藤蓮です。
今まではライトノベル作家と名乗っていましたが、そういえば新しい名乗りを考えるべきなのかもしれないとこれに答えながら気づきました。
—―本作『バイオスフィア不
時代とともに変わりゆく神事のゆくえ――SF小説「オンライン福男」
柴田勝家氏の短篇集『走馬灯のセトリは考えておいて』から、ポストコロナSF「オンライン福男」を全文掲載いたします。
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◆オンライン福男選びって?
毎年、正月十日に行われるのが十日戎の行事です。
特に有名なのが兵庫県の西宮神社のもので、午前6時の開門と同時に本殿に向けて人々が駆け出す様は恒例となっています。いわば福の神である恵比寿に誰よりも早く詣でることで、その年で一番の福を得ると
”SF翻訳家”への道(大森望の新SF観光局)
SFマガジン10月号に掲載された、翻訳家・SF書評家の大森望さんによる連載コラム「大森望の新SF観光局」より、第86回「 ”SF翻訳家”への道」をウェブ公開いたします。
前号の古沢嘉通さんのエッセイを受けての内容となっておりますので、まずはこちら👇をご覧ください。
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前回の当欄で書いたとおり、日本SFの書き手は(とくに短篇に関しては)新人の数が飛躍的に増えている。一方、英語圏SFの
SF翻訳、その現在地と10年後の未来
SFマガジン8月号に掲載された、翻訳家の古沢嘉通さんによるSF翻訳業界の現在と未来をめぐるエッセイをウェブ公開いたします。
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「この6年間に、若い新人SF翻訳者はほとんど登場してないのである。(中略)いちばん最近、大量の新人翻訳者がSF界に供給された例は、創元SF文庫のマリオン・ジマー・ブラッドリイ《ダーコーヴァ年代記》シリーズ。このときプロデビュー(SF翻訳デビュー)した訳者陣──古沢