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海外文芸

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#イタリア

『コロナの時代の僕ら』著者が語る、現代人が抱える不安の正体とは? 『タスマニア』(パオロ・ジョルダーノ)訳者の飯田亮介あとがき

『コロナの時代の僕ら』著者が語る、現代人が抱える不安の正体とは? 『タスマニア』(パオロ・ジョルダーノ)訳者の飯田亮介あとがき

イタリアの作家、パオロ・ジョルダーノの新作小説『タスマニア』が2024年1月10日より発売中です
『コロナの時代の僕ら』で知られる著者が2021年9月から書きはじめたという本作。訳者の飯田亮介氏は、本作がそれまでの作品とは大きく異なるといいます。パンデミックは何をもたらし、著者はどんな道を選んだのでしょうか。ジョルダーノの作品を日本語に訳し続けてきた飯田氏が本作の魅力を語ります。

訳者あとがき飯

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『コロナの時代の僕ら』著者の新作小説。世界的危機と夫婦の危機のはざまで、困難を生きる姿を赤裸々に描く『タスマニア』(パオロ・ジョルダーノ、飯田亮介訳)

『コロナの時代の僕ら』著者の新作小説。世界的危機と夫婦の危機のはざまで、困難を生きる姿を赤裸々に描く『タスマニア』(パオロ・ジョルダーノ、飯田亮介訳)

早川書房は、イタリアの作家、パオロ・ジョルダーノ『タスマニア』(原題 Tasmania)を2024年1月10日に刊行します。
本作は、『コロナの時代の僕ら』の著者による小説です。世界的危機と夫婦の危機のはざまで、不安に突き動かされ、世界各地をさまようローマ在住の作家。困難を生きる姿を赤裸々に描き、国際的に高く評価される傑作です。

◆あらすじ2015年11月パリ。同時多発テロ直後の街を、ローマ在住

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【11月7日(火)発売】『甘くない湖水』(ジュリア・カミニート/越前貴美子訳)「訳者あとがき」公開

【11月7日(火)発売】『甘くない湖水』(ジュリア・カミニート/越前貴美子訳)「訳者あとがき」公開

早川書房から、11月7日にイタリアの小説『甘くない湖水』(ジュリア・カミニート/越前貴美子訳)を刊行いたします。イタリアの二大文学賞、ストレーガ賞の最終候補に残り、カンピエッロ賞を受賞した、イタリアで18万部超の話題小説です。こちらのnoteでは、訳者の越前貴美子さんによる「訳者あとがき」を公開いたします。

◆あらすじ私の母は掃除婦をしながら四人の子どもを育て、障がいを持つ夫を支えた。厳しくも誇

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【11月7日(火)発売】『甘くない湖水』(ジュリア・カミニート/越前貴美子訳)書影公開のお知らせ

【11月7日(火)発売】『甘くない湖水』(ジュリア・カミニート/越前貴美子訳)書影公開のお知らせ

11月7日(火)に早川書房から、イタリアで18万部超の小説『甘くない湖水』(ジュリア・カミニート/越前貴美子訳)を刊行いたします。イタリアの文学界で最も権威あると言われる二大文学賞、ストレーガ賞の最終候補に残り、カンピエッロ賞を受賞しています。こちらのnoteでは、漫画家の森泉岳土氏に描き下ろしていただいた絵が入った装幀を公開いたします。

装画は漫画家の森泉岳土さん、装幀は須田杏菜さんです。表紙

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1935年、エチオピア。銃を手にして祖国を守った女性たちを描く『影の王』(マアザ・メンギステ/粟飯原文子訳)「訳者あとがき」公開

1935年、エチオピア。銃を手にして祖国を守った女性たちを描く『影の王』(マアザ・メンギステ/粟飯原文子訳)「訳者あとがき」公開

2月21日に早川書房から刊行され、早くも話題沸騰の『影の王』(マアザ・メンギステ/粟飯原文子訳)。第二次エチオピア戦争を主な舞台に、早々と亡命してしまった皇帝ハイレ・セラシエにかわり、前線を守った女性たちの物語です。サルマン・ラシュディにも「二日でイッキ読み」と絶賛された本作の邦訳を担当された粟飯原文子氏による「訳者あとがき」の一部を公開いたします。

訳者あとがき

 アフリカ文学作品の多くでは

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『嘘つき村長はわれらの味方』(クリスティーヌ・サイモン/金井真弓訳)12月21日発売!「訳者あとがき」特別公開

『嘘つき村長はわれらの味方』(クリスティーヌ・サイモン/金井真弓訳)12月21日発売!「訳者あとがき」特別公開

早川書房では、12月21日にイタリア系アメリカ人クリスティーヌ・サイモンのデビュー作『噓つき村長はわれらの味方』(原題 The Patron Saint of Second Chances)を刊行します。年末年始のお休みに、読んでいてくすっと笑えるほっこり小説の魅力を、訳者の金井真弓さんに存分に語っていただいた「訳者あとがき」を公開いたします。

あらすじ

 クリスティーヌ・サイモン『嘘つき村長

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『嘘つき村長はわれらの味方』(クリスティーヌ・サイモン/金井真弓訳)12月21日水曜日発売のお知らせ

『嘘つき村長はわれらの味方』(クリスティーヌ・サイモン/金井真弓訳)12月21日水曜日発売のお知らせ

早川書房では、12月21日にイタリア系アメリカ人クリスティーヌ・サイモンのデビュー作『噓つき村長はわれらの味方』(原題 The Patron Saint of Second Chances)を刊行します。へっぽこ村長なのに、なんだか憎めない、読んでいてくすっと笑える……。暗い話題ばかりの今の時代、肩の力を抜いて気楽に読める、ちょっとした笑いの絶えない楽しい小説です。年末年始のお休みのお供に是非どう

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パオロ・ジョルダーノの最新長篇『天に焦がれて』著者インタビューを特別公開!

パオロ・ジョルダーノの最新長篇『天に焦がれて』著者インタビューを特別公開!

 11月17日に発売された『天に焦がれて』(パオロ・ジョルダーノ/飯田亮介訳)。刊行後、著者にインタビューを行い、AERA dot.でインタビューが公開されました。コロナ禍について今思うことや、イタリアの人々のコロナ禍に対する反応、『コロナの時代の僕ら』と『天に焦がれて』で共通する伝染病について思ったことなどを著者にインタビューしました。

 早川書房のnote記事では、長さの都合で掲載できなかっ

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11月17日発売。『コロナの時代の僕ら』著者による最新長篇『天に焦がれて』の訳者あとがきを特別公開。

11月17日発売。『コロナの時代の僕ら』著者による最新長篇『天に焦がれて』の訳者あとがきを特別公開。

『コロナの時代の僕ら』の著者パオロ・ジョルダーノの待ちに待たれた最新長篇小説『天に焦がれて』の発売が11月17日水曜日に迫りました。イタリア国内で異例のダブルミリオンを達成した『素数たちの孤独』で衝撃のデビューを果たしてから10年。著者自身が「これは二度目のデビュー作」と認めるほどの圧倒的な筆力と没入感で読ませる『天に焦がれて』を翻訳した飯田亮介氏の「訳者あとがき」を特別に公開いたします。

訳者

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「感染症への理解が深まる」「まさに今読むべき本」「気持ちが鎮まる」「必読です」『コロナの時代の僕ら』刊行の反響

「感染症への理解が深まる」「まさに今読むべき本」「気持ちが鎮まる」「必読です」『コロナの時代の僕ら』刊行の反響

「家にいよう」
「躊躇したぶんだけ、その代価を犠牲者数で支払う」
「この大きな苦しみが、無意味に過ぎ去ることを許してはいけない」

2020年2月末から3月中旬のイタリア。新型コロナウイルスによる感染者、死者は増加を続け、医療体制は日に日に逼迫(ひっぱく)し、外出は禁じられ、人々の繋がりは絶たれていく。

突然訪れた非常事態を生き延び、この後にやってくる「コロナの時代」を歩んでいかなくてはならない

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非常事態下のイタリアから、日本へ宛てたもう一通の手紙。『コロナの時代の僕ら』より「訳者あとがき」

非常事態下のイタリアから、日本へ宛てたもう一通の手紙。『コロナの時代の僕ら』より「訳者あとがき」

編集部より「今、このときに読んでほしい」。そんな考えから、全文の公開を行ったパオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』。全文公開は4月12日19時をもってすでに終了してしまいましたが、たいへん多くの方々に読んでいただき、感想をお寄せいただいたこと、ありがとうございました。

本文の後日談であり、多くの方からご高評をいただいている著者あとがきは公開を続けております、ぜひご一読ください。

今回は、本

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何を守り、何を捨て、僕らはどう生きていくべきか。『コロナの時代の僕ら』全文公開【終了/著者あとがきのみ継続】

何を守り、何を捨て、僕らはどう生きていくべきか。『コロナの時代の僕ら』全文公開【終了/著者あとがきのみ継続】

編集部よりイタリアの小説家パオロ・ジョルダーノによるエッセイ『コロナの時代の僕ら』の全文を、著者の特別な許可を得て、2020年4月10日19時より48時間限定公開(終了しました)します。緊急事態宣言下の日本において、今、このときに広く読まれるべきテキストだと考えたからです。

本書は、イタリアでコロナウイルスの感染が広がり、死者が急激に増えていった本年2月下旬から3月下旬に綴(つづ)られたものです

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「ナポリを見て死ね」のナポリとはどんな町? 『新しい名字 ナポリの物語2』の訳者が描く港町の肖像

「ナポリを見て死ね」のナポリとはどんな町? 『新しい名字 ナポリの物語2』の訳者が描く港町の肖像



エレナ・フェッランテ『新しい名字 ナポリの物語2』が早川書房より6月1日(金)に発売されました。全世界で累計2000万部を突破している驚異の4部作の第2巻にあたる本書では、ナポリで育った主人公のエレナと親友リラの運命が劇的に変化します。

本書の翻訳者は、前巻『リラとわたし ナポリの物語1』にひきつづき飯田亮介さん。イタリアに暮らし、『素数たちの孤独』や『復讐者マレルバ』などイタリア発の名作の

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