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2022年4月の記事一覧
『もうやってらんない』(カイリー・リード/岩瀬徳子訳)の「訳者あとがき」特別公開中です。
早川書房から、4月5日火曜日に『もうやってらんない』(カイリー・リード/岩瀬徳子訳)が刊行されました。一見リベラルに見える白人に、無意識に潜む黒人への差別感情を炙り出し、英米で話題沸騰。70万部突破のブッカー賞候補作です。
本note記事では、訳者の岩瀬徳子氏による「訳者あとがき」を公開いたします。
特にリベラルなエリート層に顕著な、日々のカジュアルレイシズム(無意識の人種差別、悪気のない人種差
全米170万部の話題作がうまれた背景は? 現代アメリカを理解するための必読小説『ひとりの双子』解説(新田啓子)
「入れ替わっても気づかれない」とさえ言われた双子が、ある選択によって、正反対の人生を送ることになる。
アメリカの小説家、ブリット・ベネットが『ひとりの双子(原題:The Vanishing Half)』で描くのは、そんな姉妹。姉のもとから突如消えた妹は、自由をもとめて、素性を偽り、故郷から遠くのどこかで暮らしているという。姉は噂しか知らず、もう何年も会っていない。
妹を追いかける物語は、サスペン
自分らしくいるために嘘をついた。それは許されない嘘なのか? 小説『ひとりの双子』試し読み②
報われない環境に生まれ育ち、自分の将来も自由に選べそうにない。そんなとき、新しい世界への扉、自分らしくいられそうな世界への扉が見えた。双子は、いっしょに扉を通りぬけて、別々の道を選んだ。
妹は、姉のもとから姿を消し、素性を偽って裕福に暮らしているという。それから数十年、2人のつながりは切れたかに見えた。あの日まで――。
アメリカの小説家、ブリット・ベネットによる長篇小説『ひとりの双子』は、サスペ