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粘りついて付きまとう怪奇を鮮やかに消滅させる美麗探偵、登場!

怪奇に苦しめられた依頼人のため、圧倒的な救済か甘美な破滅をもたらす怪奇専門探偵――それが本書『夜獣使い 黒き鏡』の主人公、鏡見夜狐だ。
【冷蔵庫の中で赤子が育っていると語る婦人の運命(第1話「胎児よ、胎児よ」)】【主人が年若い少女に殺されて以来、身の回りで怪異が起こる妻の苦悩(第2話「少女神」)】【学校の中央広場から落下する三つの首の正体(第3話「みっつの首」)】【母はサナギとなり、そして蝶となった、という手紙の真相(第4話「サナギの母」)】【あなたは、どんなユメが見たいの?メェええ…という奇妙な声の謎(第5話「鋼の羊」)】【顔面切断、手首切断、足切断――犠牲者たちが自らの手でそれを行なったという不可思議(第6話「燦燦と晴れ」)】
鏡見はこうした怪奇と対峙し、にわか助手の冬乃ひなげしとともに挑んでゆく。

この怪奇譚全篇に登場する、魅力的な登場人物たちをご紹介しよう。


鏡見夜狐

鏡見夜狐(かがみやこ)

黒屋敷の中の「驚異の部屋」に住み、黒衣に身を包んだ青年(しかし、五十を超えた老人のようにも、十程度の少年のようにもみえることがある、不定形な存在)。怪異専門の探偵として秘かに知られているが、自身のことを「単なる人でなし」と呼ぶ。依頼者の抱える謎・問題と依頼者が差し出す「たいせつな物」を黄金の天秤にかけて、吊りあった時のみ、事件調査へと向かう。関わった女性から、ほぼすべてといえる確率で告白される特異体質。


冬乃ひなげし

冬乃(ふゆの)ひなげし

鏡見の屋敷を訪れ、突如「助手」に任命された、にわか助手の高校生。寒さに震える花のごとく、可憐で短命そうな少女なのに、じつは……「異様の敵」との闘いの末に失踪した母親がのこした言葉に従い、鏡見を頼る(母とと鏡見のあいだにどんな過去があったのかはいっさい知らない)。怪異に対する「彼女にしかできない、とある特殊能力」を有する。



夜獣

夜獣(やじゅう)

鏡見とともに在り、鏡見に使役される怪異の存在。狐にも馬にも鳥にも似て、あらゆる動物の親戚であり、すべてに見捨てられた姿をしていて、醜くも美しい――つまりはわけのわからない存在。巨大な顎で怪異を喰らう。


カスミ

ひなげしの母親。「異様の敵」と闘っていたが、「私が死んだら、『黒屋敷』へ行きなさい」とひなげしに言葉をのこして失踪を遂げる。

タクシーの運転手

鏡見が事件現場などに赴く際に利用する「専属的」タクシー運転手。ドイツ車のボルボの個人タクシー。事件に関するちょっとした情報を鏡見にもたらしたりもする。

白い女

白いワンピース、白い帽子、白い肌――鏡見に「おまえなんて死んでしまえ」という言葉を吐き、現われては消え、消えては現われる。


次々に集ってくる怪異に、鏡見とひなげしがどのように挑むか、そして二人にはどのような結末が待っているのか、ぜひお楽しみください。


『夜獣使い 黒き鏡』綾里けいし・著/青依青・カバーイラスト
ハヤカワ文庫JA
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