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第96回アカデミー賞2部門受賞!「今世紀最も重要な映画」と評された『関心領域』。マーティン・エイミスの原作小説(北田絵里子訳)を5月に刊行

A24製作、ジョナサン・グレイザー監督の最新作で、第76回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞、各地の映画祭でも数々の賞を受賞し話題を呼んでいる映画「関心領域」が、第96回アカデミー賞で〈国際長編映画賞〉〈音響賞〉を受賞! 日本では5月24日に公開。描かれるのは、アウシュヴィッツ強制収容所と壁一枚隔てた屋敷で、悠々と暮らす収容所の所長とその家族の暮らし──

予告編で映し出されるのは、どこにでもある穏やかな日常。壁の向こうにはまるで何もないかのように暮らす家族たち。しかし、壁一つ隔てた収容所の存在が、音、建物からあがる煙、家族が交わす視線や気配から着実に伝わってくる。壁を隔てたふたつの世界にどんな違いがあるのか? 平和に暮らす家族と彼らにはどんな違いがあるのか? そしてあなたと彼らの違いは?

予告内では、“この映画を観たことは一生忘れないだろう” “どんなホラー映画よりも恐ろしい” “今世紀最も重要な映画” ”目をそらしてはいけない”と警告のような海外映画評も並ぶ。

そんな話題の映画の原作小説を早川書房より刊行! 著者は英国を代表する作家であり、惜しくも昨年この世を去ったマーティン・エイミス。ホロコーストというおぞましい殺戮を前に露わになる人間の本質を、エイミスが皮肉とともに描きだす傑作です。

●書誌情報


単行本オビ付き書影。映画ポスターをオビに使用。

『関心領域』(原題:The Zone of Interest)
マーティン・エイミス著
北田絵里子訳
四六判並製単行本
ISBN:978-4152103321
予定ページ数:480ページ
発売日:2024年5月22日

◆あらすじ


昔々あるところに王さまがいました。王さまはお抱えの魔法使いに特別な鏡を作らせました。この鏡は見る人の姿を映しません。見る人の魂を映すのです──その人がほんとうはどんな人間かを。

おのれを「正常」だと信じ続ける強制収容所のナチ司令官、司令官の妻との不倫をもくろむ将校、死体処理の仕事をしながら生き延びるユダヤ人。おぞましい殺戮を前に露わになる人間の狂気、欲望、そして──。諷刺と皮肉を得意とする作家エイミスが描きだす、ホロコーストという「鏡」に映し出された人間の本質。

◆マーティン・エイミス


©Isabel Fonseca


1949年生まれ、英国の作家。父は作家のキングズリー・エイミス。オックスフォード大学を卒業後、文芸誌の編集者、評論家として活動。1973年、長篇小説『二十歳への時間割』(原題 The Rachel Papers)で作家デビュー。第三作目『サクセス』では、性と階級をめぐる寓話を描き、英国社会を諷刺する作家として注目を浴びる。1984年にはサッチャー時代の非道徳と強欲にまみれた社会を描き出した Money: A Suicide Note を発表。続く London Fields、The Information はロンドン三部作とされた。『時の矢―あるいは罪の性質』、『Yellow Dog』ではブッカー賞候補に選出。2008年、タイムズ紙は彼を1945年以降の最も偉大な作家50人の1人に挙げた。『関心領域』は2014年発表のエイミス後期の長篇であり、2023年に映画化、翌年のアカデミー賞で2部門を受賞した。2023年5月没。

◆書誌情報

・書名:『関心領域』
・著者:マーティン・エイミス
・訳者:北田絵里子
・監修:田野大輔(甲南大学教授)
・解説:武田将明(東京大学教授)
・ 2024年5月下旬発売予定(紙、電子版同時発売)
・判型:並製単行本

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