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『アポカリプス・ベイビー』の著者、ヴィルジニー・デパントの紹介

10月19日発売の『アポカリプス・ベイビー』(ヴィルジニー・デパント/齋藤可津子訳)。著者のヴィルジニー・デパントは、フランスでは知らない人がいないほどの有名作家で、代表作の〈ヴェルノン・クロニクル〉シリーズは、フランスで100万部以上を売り上げた大ヒット作です。

そんなフランスの国民的作家が書いた『アポカリプス・ベイビー』はシスターフッドとバディものを合わせた小説として、人口が日本の約半分のフランスで20万部以上を売り上げた人気作品。今回はそんなフランスを代表する作家で、ミシェル・ウエルベックともよく比べられるヴィルジニー・デパントを簡単にご紹介します。

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© JF PAGA

ヴィルジニー・デパント(Virginie Despentes)

1969年、フランス、ナンシー生まれ。
1993年、『バカなヤツらは皆殺し』で作家デビュー。
1998年、Les Jolies Choses(日本語未訳)を発表。
2002年、Teen Spirit(日本語未訳)を発表。
2004年、Bye Bye Blondie(日本語未訳)を発表。
2006年、エッセイ『キングコング・セオリー』を発表。
2010年、『アポカリプス・ベイビー』を発表。本作でルノードー賞を受賞。
2015年、〈ヴェルノン・クロニクル〉シリーズ第1作目となる『ウィズ・ザ・ライツ・アウト ヴェルノン・クロニクル1』を発表。2017年に同シリーズを完結させる。〈ヴェルノン・クロニクル〉シリーズは、フランスではドラマ化、漫画化され、社会現象にもなった。
2015年には、フェミナ賞の選考委員になり、2016~2020年にはフランスで最も権威ある文学賞、ゴンクール賞の選考委員を務めた。
映画監督やミュージシャンとしても活躍し、『バカなヤツらは皆殺し』をもとにした「ベーゼ・モア」や「嫉妬」(Bye Bye Blondieの映画化、エマニュエル・べアール、ベアトリス・ダル出演)なども監督した。また、Teen SpiritLes Jolies Chosesなど、多くの小説が映像化されている。
2020年には、「ブラック・ライヴズ・マター」に関してエッセイを発表。話題になった。
自身の過去を赤裸々に語った『キングコング・セオリー』は既にフランスでは古典の地位を獲得し、女性が人生で一度は必ず読むべきものとして位置づけられている。また、現代社会についても多く問題提議し、常に発言内容が注目されている作家である。

日本でスタイルアイコン、インフルエンサーとしても知られるジャンヌ・ダマスがフランスVOGUEのインタビューで「憧れのパリジェンヌは?」ときかれた質問に対し、「ヴィルジニー・デパント。物怖じしない喋り方や、常に素でいる彼女が大好き。デパントが書いたエッセイや小説を読んだり、インタビューを聞くのが好き。」と答えています(動画の4分6秒から)。

女性私立探偵2人組が失踪した少女を追う探偵小説かと思いきや、人間の心の機微の描き方からフランスの社会問題の掘り下げ方、そしてエモが爆発するようなラストまで、一気読み必至の『アポカリプス・ベイビー』。既に読み終えた方からは熱い感想が続々と寄せられています。10月19日、是非お近くの書店でお買い求めください。


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